江分利満
50代/男性
143 件のレビュー
2.5
ターミネーターは1も2も素晴らしすぎましたし、キャメロンが関わらない中で3を作ってしまったのがそもそもの大失敗で、これは関わった人たちにとっては本当に十字架のようなものを背負わされたんじゃないかと思わざるを得ません。ちょっと可哀想。もしこれがターミネーターと無縁のアクション映画だったとしたら、誰もが楽しめる映画になったに違いありません。ジョナサン・モストウ監督ももしこの映画を撮っていなければもっとハリウッド最前線で活躍してたんじゃないでしょうか・・・分かりませんけど。今となってはそういうタラレバをつい考えてしまう、なんで作ってしまったんだろう・・・というとても残念な映画です。主演のニック・スタールもいい俳優だと思うのですが、ジョン・コナーじゃない感が、悲壮ですらありました。
2025.04.15 投稿
5.0
スコセッシとディカプリオの無双コンビ映画。現代の物語かつ、ドラッグと切り離せない人たちの話なので全編かなりテンション高く、というかもう色々振り切っていて凄いです。特にディカプリオがバッチリドラッグ決めた状態で車に乗ろうとして乗れないというギャグみたいな一人芝居のシーンは出色で、ただただディカプリオってやっぱ演技変態だなと痛感しました。あのシーンだけでも観る価値あると言いたいところですが、もちろん全編見る価値あります。人生の成功者なのか、敗残者なのか。そういうジャッジをするような映画ではありませんが、良い悪いを超えて、へこたれないスピリットは間違いなく心打ちます。
2025.04.15 投稿
5.0
もう魂にインプットされていると言っても良いぐらい何度も何度も観ていますが、何度観ても激アツで、今ではきっとこんな映画作れないだろうなと思いつつ、この映画が描いた、少し歪んだ近未来に、今すでになってしまっているななんて思ったりします。もちろん現実にはまだロボコップはいませんが。明らかに日本の特撮ヒーローに影響をうけて出来た映画だと思いますが(その意味で日本の特撮ヒーローはもっと評価されても良いと思います)、バーホーベン監督だからでしょう、もう全て振り切っていて決して子供向け映画ではありません。主人公が途中で死ぬ映画は他にもありますが、この映画ほどショッキングな死に様は他に例がないのではないか?と思うほど。初めて観た時は本当に怖かったですが、でもその後の展開があまりにも面白くて、そして最後の最後のセリフで全身鳥肌立ってあのカッコイイ音楽でエンドロールという、思い出すだけでも震えそうな痺れる映画です。あの終わり方はアシモフのロボット工学三原則に敬意も表しているし、アイデンティティの確立という意味では非常にディック的な世界を体現した素晴らしいシーンだと思います。
2025.04.14 投稿
5.0
マイケル・ベイ監督の映画は「ザ・ロック」とこの映画は大好きです(ほかは・・・)。トランスフォーマーはオモチャの映画化だし、きっと子供騙しなんだろうと思って観に行きましたが、全然子供騙しじゃなく、SFではありますがむしろこれは戦争映画として優れた傑作なんじゃないかと思いました。クライマックスの現代アメリカの都市部での戦闘シーンとか、よく撮ったなと唸らされました。シャイア・ラブーフもこの頃はまだ澄んだ目をしていて良かったなと思います(その後色々ありましたが、やっぱり演技は素晴らしいのでもっと活躍してほしいです)。パート3ぐらいまで観ましたが、どんどん酷くなってしまったので、その後何本も作られている続編やスピンオフはほぼ観ていません。でもいまだに作り続けられる一大フランチャイズになったのは、やはり1の成功(興業的にも内容的にも)があったからなんだろうと思います。
2025.04.14 投稿
5.0
何度も何度も観ていたにも関わらず、数年前午前十時の映画祭でついに映画館で観ることができた時、あまりの興奮で全編泣きながら観てました。おそらく映画史上最高のオープニングシーン(怖い!)からスカッとするラストまで、全く隙のない完璧な映画。モンスター映画なのにこれだけ多くのファンを獲得し、大ヒットして、歴史的にも評価されている映画になるなんてきっと当時は誰も想像してなかったでしょうね。まさに伝説だと思います。サメがなかなか出てこないのは撮影用に作った電気仕かけのサメが故障ばかりで思うように動かず、苦肉の策でとった演出らしいですけど、それこそがこの映画を神がかったものにしたと思います。スピルバーグはその後も傑作ばかりものにしますが、この映画の成功あってこその輝かしいキャリアになったんだと思いますし、ジョン・ウィリアムズとのコラボレーションの鉄壁さもここで証明できたんだと思います。キャストも素晴らしいし、何度観ても興奮する大傑作です。
2025.04.14 投稿
5.0
もはや古典ですが、きっと当時は尖に尖った衝撃作だったんだろうと思います。この映画に影響を受けずに今映画に携わっている人は果たしているのでしょうか?避けては通れない必修科目、のような存在の映画だと思います。好き嫌いは別として。現代の闇というと大袈裟かも知れませんが、人を救いたい、人に愛されたいという純粋な気持ちは時として狂気、あるいは凶器となり、爆発する。そんな模様を淡々と描き切っていると思います。一体何が正しいのか。正義とは何か。終わらない自問自答。この映画を作ったスコセッシが現代のマーベルヒーロー映画をあれは映画じゃない、と仰るのは、まあ最もだよなと笑って認めざるを得ないかと。
2025.04.14 投稿
5.0
デビッド・フィンチャーが本当に一流の監督になったんだなと実感した映画でした。実在の殺人事件をめぐる物語ですし、この事件をデフォルメ、エンタメ化した「ダーティ・ハリー」という傑作がありながらも、全く違うアプローチで実直に映画化した作品だと思います。ロバート・ダウニーjr、マーク・ラファロ、ジェイク・ギレンホールと、演技達者たちが激渋の演技バトルをしているようでもあり、地味ながら非常に見応えあり、映画を観た、という満足感を与えてくれる一本です。セブンのような派手さはないですが、この映画を撮り上げたことが現在のデビッド・フィンチャーの活躍の礎になっているのではないかと思ったりします。
2025.04.14 投稿
3.5
リュック・ベッソン監督の映画は当たり外れが大きい気がしています。この映画、公開当時観た時はこりゃ大ハズレだと、がっかりした記憶があります。でもなぜかあと引く感じもあって、実はファンもたくさんいて、今ではカルト化したSF映画という位置付けになったのではないでしょうか?そういう意味では時代を超えて愛され続ける成功作なのは間違いなく、当時の私に観る目がなかったんだなと素直に思います。近未来SFといえば「ブレードランナー」の影響なんでしょうけど、暗くじめっとした質感の映像が多い中、この映画はかなりカラフルでパキッとしていて、明るく華やかな印象。それが嫌いでしたが、今となってはそれが良い個性だったんだなと思います。ミラ・ジョボビッチが初めて認識されたのもこの映画(デビュー作でしたっけ?)だったという意味でも凄く歴史的価値ある一本かと。
2025.04.14 投稿
3.5
よく作ったな、頭いいな、とは思います。長いけど退屈はしませんし、なんだか得体は知れないけど圧倒的なパワーに、まさに圧倒されてなんだか凄いものを観た、という気にはなります。でも観終わって振り返ると、だからなに?という感想しか浮かんできませんでした。クリストファー・ノーランは力のある監督だと思いますがあまりにも頭が良すぎて観客をすごく下に観ている気がしてなりません。ダークナイトライジングぐらいまではそれでもまだ楽しめたんですが、ダンケルクあたりからちょっとそういう上から目線がめちゃくちゃ鼻につくようになりました。単純なことをあえて複雑にしてみせることで難解映画を作ろうとしているかのような。キューブリックを目指してる感はよくわかるのですが、キューブリックの難解さとは全然異質のもの、作られた難解さに見えて、ちょっと食傷気味になってきました。
2025.04.14 投稿
5.0
これには度肝を抜かれました。まさに「こんな映画観たことない!」という類の革命的な映画だったと思います。そしてこの映画に影響を与えたのが日本のアニメーション、特に押井守監督の映画だったりしたことに本当に興奮しました。日本でこういう実写ができたら良いのに!と悔しい思いも感じました。とはいえこのマトリックスの面白さにはただただ感動と興奮でした。物語も良い、アクションも良い、映像が斬新、のみならず映画愛アニメ愛に溢れる小ネタやディテール描写がもうため息もので、こんなに面白い映画があって良いのか!とまで思います。今観てもその面白さは色褪せてませんでした。素晴らしいです。
2025.04.12 投稿
2.5
初めて観た「ロッキー」シリーズがこの「4」でした。当時米ソ冷戦下で、スタローンのもう一つのドル箱シリーズ「ランボー」(2以降)のイケイケアメリカ感が好きになれずにいましたが、ロッキー4もそういう政治色が持ち込まれていて好きになれませんでした。その後「1」を観て大感動して、何十年も経ってからこの「4」も見返しました。すでに時代が変わったからというのもあるとは思いますが、これはこれでエンタメとしては非常にコンパクトによくまとまっていてスタローンの確かな演出力に気付かされました。ドラゴを演じたドルフ・ラングレンとも実は交流が続いて後年「エクスペンダブル」シリーズや「クリード」シリーズに結実したことを思うと、スタローンは義理に厚い男なんだなと思います。そして再編集版の「ロッキーvsドラゴ」が非常に良かったので、ロッキー4は初見当時に感じた低い評価のままにしておこうと思います。
2025.04.12 投稿
5.0
イーストウッドの映画で本当に息が止まりそうになるほど慟哭したのはこの映画と「ミリオンダラー・ベイビー」です。中でもこの映画は、イーストウッドの終活映画なんだなと思いました。名無しのガンマン、ダーティハリーはじめ、強いアメリカ、力のアメリカを象徴するような存在だったイーストウッドが、人種も何もかも違う少年を守るために、ある覚悟を持って世話になった人たちに会いにいき、他愛もない会話をし、身綺麗にして・・・そしてイーストウッド自身が過去様々な映画で撃ちまくってきた銃弾を、全身で受け止めるような、これ以上ない贖罪の姿を目の当たりにして、嗚咽せずにいられませんでした。コワルスキーというキャラクターを超えて、イーストウッド自身の物語としか思えませんでした。これがイーストウッドの遺作か・・・とも思いましたが、あれからも15年経ってまだ現役でいるイーストウッド(「陪審員2番」で本当に引退なのでしょうか?)のバイタリティには本当に尊敬の念しかありません。
2025.04.12 投稿
3.5
「2」が傑作すぎたのもあって、「3」の混迷ぶりがちょっと痛々しく思えました。敵役もそうですが、いろんな要素を増やしすぎてちゃんと処理できなくなってしまったという印象でした。良いスパイダーマンと悪いスパイダーマンに分裂してしまうというネタは、きっとあらゆるヒーローもので繰り返されてきたネタ(ウルトラマンでもそういうのありますよね)だと思いますが、映画版の「3」でそれをやったのはどうしても「スーパーマン3」を思い出しますし、スーパーマン3も同様に非常に混迷した作品になってしまっていたので、そこまで同じ印象になってしまったのはちょっと残念でした。それでも大分経ってからヴェノムの単独シリーズが作られたりしたのも、スタッフやキャスト違うとはいえ、やはりここにキッカケがあったんでしょうし、サンドマンのくだりとかは凄く良い話だとは思います。にしてもジェームズ・フランコとかもう完全に干されてしまいましたが、あまり魅力的なヒロインとは思えなかったキルスティン・ダンストはいまも最前線で活躍を続けているのも、本当に人生何が起こるかわからないですね。完全に余談ですが。
2025.04.11 投稿
5.0
今まで作られた全てのスパイダーマン映画の中で、このサム・ライミ版のパート2が圧倒的に一番優れていて、一番好きです。もともとがフレンドリー・ネイバーフッドですから、そういう設定なんだとは思いますが、スーパーヒーローなのにバイトもクビになって家賃も払えず、生活苦に喘ぐ主人公像というのはそれまで観たこともなく、斬新かつ親近感湧きまくりで、これが応援せずにいられるか!という気持ちで最後まで大興奮で駆け抜けた映画でした。敵役のアルフレッド・モーリナはレイダースのオープニングで印象を残しながら、小さな役やアート系の映画で頑張って生き残ってきた俳優で、ここへ来て一気にメジャーに躍り出たのも嬉しかったですし、そういう人たちにチャンスを与えている製作陣の姿勢も素晴らしいと思いました。なにより前作よりもサム・ライミ節が炸裂していて、楽しく伸び伸びと映画を作っている空気も感じられて、観ていて幸せな気持ちになれました。「卒業」オマージュのようなラストはシチュエーションだけじゃなく、後味も含めて狙っていると思いますし、ハッピーの裏に息づくその不穏さも人生を感じさせてくれました。
2025.04.11 投稿
3.0
面白いとは思います。非常に長いですが、決して退屈はしませんでしたし、一人の男の生き様をアクション満載で描く映画という意味では、結末含めて満点評価してもいい作品だとは思います。これが「007」でなければ。そうなんです。何よりも大前提これは「007」映画なわけで、そう考えるともう全て否定したくなるぐらい酷い。一番やってはいけないことをやってしまったと感じざるを得ません。ダニエル・クレイグに有終の美をもたらせたかった、それはわかります。でもダニエル・クレイグは去っても、ジェームズ・ボンドは生き続ける。それが今までのスタイルだったはずなのに・・・本当に、ちょっと許し難い暴挙と言いたくもなるような、そんな思いです。ショックでした。それが証拠に、じゃないですがいまだに次のボンド映画に向けて大混迷の様相を呈していて、結果AmazonMGMが全ての権利を買い取ってしまいましたね。それが吉と出るか凶と出るかは分かりませんが、こんな映画を作ってしまった以上、そうなるのも必然だったのかなと思わざるを得ません。
2025.04.11 投稿
5.0
これがロバート・ゼメキス監督の映画だと知っている人は少ないのではないかと思います。というかこの映画の存在自体あまり知られてない気もします。アン・ハサウェイが割と怖いビジュアルの魔女を演じているのがかろうじて話題になったくらいですかね。怖いイメージシーンはありますが、もちろん児童文学が原作なので全体に震え上がるような怖さの描写があるわけじゃありません。ただ、これはネタバレですが、魔法によってネズミに姿を変えられてしまった主人公が、元の姿に戻るこのないまま終わっていくという、もちろん比喩的な寓話ではあるのですが、元に戻れない旅路を描いているという意味でいかにもロバート・ゼメキスの映画だったと思いますし、それはやはり非常に怖い人生の側面を描いていると言っても良いと思います。ネズミのかわいさでカモフラージュはしていますが。人生教育という意味では凄く観る価値のある映画だと思います。
2025.04.11 投稿
4.0
シャーロック・ホームズといえばジェレミー・ブレットが演じたTVドラマ版が大好きだったので、正直ロバート・ダウニーjrがなんで???という思いで観にいきましたが、これはこれで全然アリだと思いました。意外と肉体派の一面も面白く描かれていて、やっぱりなんだかんだ言ってダウニーjrは演技が巧いと思います。ジュード・ロウのワトソンも良かったですし、レイチェル・マクアダムスやマーク・ストロングという優れた役者を初めて認識したのもこの映画だった気がします。インディペンデント界隈で活躍していた印象のガイ・リッチー監督がメジャーでブレイクしたのもこの映画なんじゃないでしょうか。キャストも監督も今なお大活躍中というか、ノリに乗っているのもここが出発点かも知れません。
2025.04.11 投稿
4.0
ジェームズ・ガンはいつの間にか、というか「ガーディアン・オブ・ザ・ギャラクシー」シリーズですっかり大作監督になりましたが、やってることはやはりエッジが効いているというか、普通ならあんまりやらないようなことを堂々とやっていて、B級ファンを裏切らないのが良いですね。結構な名のある俳優たちが色々出てるのに、前半でどんどん死んでいくのには驚きました。一応コミックものだし、最後にはみんな生き返ったりするのかなと思ってたらそんなこと一切なく。すげえーと思いました。なので前編にわたってクセ強映画なので乗れない人には苦痛かもしれません。B級ノリが好きという人には徹底的に楽しめる映画かと。
2025.04.10 投稿
5.0
公開当時はエッジの効きまくった「2」に比べて凄くコンパクトにまとまってしまった気がして、もちろん凄く面白かったけど食い足りない完結編、という印象を持っていました。ところが大人になってから見直すと、この3部作はもちろんマーティが主人公の成長物語でもありつつ、実はその若者を裏で全力で支えるドクがめちゃくちゃ頑張る映画シリーズだった、ということに気がつきました。そのドクが幸せを掴む話としてのパート3は、今観ると純粋に涙なしで見られなくなってしまい、時を経て大好きな映画となりました。映画って本当に不思議ですし、物語同様、映画自体も時を超えるんだなということを実感させてくれる素晴らしい完結編です。
2025.04.10 投稿
5.0
これは当時本当に続編革命だと思いました。前半は未来を、後半はまた過去に戻りパート1を別視点で見せていくという構成は明らかに発明だったと思います。1を懐かしみながら、復習もしつつ、その裏で何が起こっていくか、新しい展開を目撃していくのは、まさにマーティと一緒に行動しているよう感覚に陥り、大興奮でした。そしてドクが消え、郵便局員が現れるあの件は、初見の時はいわゆるタイムパトロールが来たんじゃないかとか、ドラえもん的な想像が膨らんでほんとにハラハラしましたが、予想の斜め上を行く展開に本当に叫びたくなるぐらいテンションあがりました。そしてその全てを包み込むような、あの爆笑の幕切れ。最高です。
2025.04.10 投稿
4.0
ボンドの過去を深刻に描き過ぎていて「スカイフォール」がいまいち好きではなかったのですが、この「スペクター」はまたバカバカしい方向に舵を切っていて凄く良いと思いました。007はリアリティよりも、そんなバカな!と突っ込みながらもついつい笑ってしまったり、手に汗握ってしまったりするような作りが正しいあり方じゃないかと思っているので、ダニエル・クレイグ版では「慰めの報酬」と「スペクター」が面白いと思っています。でもクレイグ版ボンドは大人気なので大半の人はスカイフォールが好きなんだろうと思いますが。クリストフ・ヴァルツがブロッフェルドをやってるのも良かったです。
2025.04.10 投稿
5.0
好きな人に振り向いてもらいたい、とかある意味不純な動機から始まるのが青春だよな、と思える実は王道青春映画の良作だと思います。音楽とか、芸術、そしてもちろんスポーツも、青春映画の要素としてはやはり好きな人に振り向いてほしいからという思いで取り組み始める、ある種の魔法のような力を持つ「何か」なんじゃ無いかと思ったり。それがこの映画では「バンド」であり「音楽」。嘘から出た真じゃないけど、バンドやってると言ってしまったから本当にバンドを組む、という。そしてやがてはその活動が実を結んでいき・・・人生もそうなればいいなと誰もが思うでしょうけど、実は誰の人生もこんなようなドラマは起こっているんじゃないか、と思ったりもします。そういうリアルな感じも含めてとてもいい映画です。
2025.04.09 投稿
5.0
これこそが映画、だと思っています。少年と宇宙人の交流を描いた映画、というのは誰もが知るイメージかと思いますが、だからと言って決して子供騙しの映画ではありません。大人になることを避けられない人間が、忘れてしまった童心を、純粋な想いをもう一度取り戻すことができるような、特別な時間を与えてくれる映画です。今でも、少なくとも数年に一回は映画館でも上映される映画なので、できれば家のテレビ画面などではなく、映画館のスクリーンで体験すべき映画だと思います。映画に引き込まれていく中で、夢中になること、誰かを助けること、成長するということ、そんなことへの思いを心のどこかに残してくれるような素晴らしい映画です。
2025.04.09 投稿
5.0
デビッド・フィンチャーがまたしても傑作を作ったと思いました。「セブン」の凄さを期待して観た「ゲーム」がいまいち乗れず、やっぱりセブンがまぐれだったのか・・・と思っていたところに来た「ファイトクラブ」だったので、一本おきに傑作を作る人と思いましたし、実際そんな風に言われていましたよね。それぐらい「セブン」と「ファイトクラブ」は異次元の傑作だと思います。エドワード・ノートンの巧さも、ブラッド・ピットの弾け具合もいい感じに相乗効果があったと思います。映像的にもサブリミナルを使ったりと実験的なこともしていて、物語の持つトリップ感を映画全体で表現していたと思います。観始めた時に想像するその後の展開とは間違いなく全然違う場所に連れて行かれてしまう、とんでもない傑作だと思います。
2025.04.09 投稿
5.0
ダークナイト直後のクリストファー・ノーラン監督の映画ということで否が応でも期待せずにいられませんでした。その期待は裏切られることなく、むしろ遥かに超えてきました。壮大なSFでありながら、非常に哲学的で、考え始めると小難しいのだけど、そこを理解すればより深く楽しめるし、仮に理解できなくてもビジュアルの斬新さやアクションも満載なこともあり何か凄いものを観てるという充足感、満腹感は絶対に得られるというある意味贅沢な映画。キャストも豪華でした。映像的には明らかにキューブリックを意識していて、ノーランは現代のキューブリックたろうとしているのだなとハッキリわかった映画でもありました(そして今なおキューブリックを追求している感じはあるので間違ってないと思います)。何階層にも渡って夢の中の夢の中の夢の・・・と降りていく感じが、そして階層を降りていくごとに時間の流れが違う感じは、まさに宇宙の、ブラックホールを巡る理論物理学の映像化だなと思っていたらその後「インターステラー」でモロにそのことを映画にしていたので、実はこれはインターステラーとセットで観るとより理解が深まる映画だと思います。
2025.04.09 投稿
5.0
初めて観た時は受験浪人中で、予備校帰りに近くの映画館に駆けつけました。あのターミネーターの続編とあって、今度はどれだけシュワちゃんが暴れまくるのか、どれほど怖がらせてくれるのか、そんな期待を抱いて観に行きました。公開前はストーリー詳細は一切伏せられていましたから。前作同様の、裸でタイムスリップしてくるシーンから始まる。シュワちゃんと、もう一人というのも前作と同じ。ロバート・パトリックもマイケル・ビーンと同じ系統の顔立ちで、スマートな体型に切長の鋭い目。当然今回はこの人がジョン・コナーを守ることになるんだなと思って観ていると・・・もうほとんどの人がご存知だとは思いますが、見事に裏切られて、若干パニックになりながらも、あまりの面白さにグイグイ引き込まれていくうち、最後には何故か大感動しているという、どうかしてるくらい素晴らしい、続編の鑑のような映画でした。そして今観てもやっぱり感動します。すごい映画。
2025.04.09 投稿
5.0
今のマーベル映画の原点ですよね。これはリアルタイムに観て、確かに面白かったです。若い頃から演技力が素晴らしかったのに、薬に溺れて干されてしまったロバート・ダウニーjrが大復活を果たした映画としてもとても印象的でした。敵役がジェフ・ブリッジスだったのも、映画に厚みが出たポイントだったと思います。この作品の時からMCUの計画はあったわけでしょうけど、あそこまで上手くいくと本当に予測できていたのでしょうか。おそらく想定以上に成長したのではないかと思いますが、いずれにしてもその最初の一歩として記念碑的な映画なのは間違い無いですね。ただ、その後映画はあまり好きになれず途中で離脱してしまいましたが・・・この作品単独ではめちゃくちゃ面白いと思います。
2025.04.08 投稿
5.0
グーニーズの少年たちとまさに同じ歳ぐらいの時にリアルタイムで観たので、原体験の一つとして心に刻まれている冒険バイブルのような映画です。色々とゆるいところもありますが、当時の少年たちの心を鷲掴みにしたのは間違い無いですし、世代を超えて今なお新しいファンを生み出し、愛され続けている映画だと思います。近年のキー・ホイ・クァンの劇的な復活劇もあり続編の製作が動き出したとかで、再注目されているのではないかと。グーニーズたちのその後は見たいような、見たくないような。海賊の宝を探しにでる少年たちの冒険と犯罪者一家との追いつ追われつのサスペンス(というかコメディ色強いですが)、さらに色んな映画のオマージュを盛り込んで本当におもちゃ箱をひっくり返したような映画とはこの映画のことをいうんだと思います。何も考えずに童心に戻れる映画として、今後も愛され続けるに違いないです。
2025.04.08 投稿
5.0
当初スピルバーグの監督作品として準備されていたはずですが、スピルバーグはこの企画をイーストウッドに渡して実現したようです。もしスピルバーグが撮っていたらもう少しウェットな作品になっていたかも知れませんね。妄想ですが。イーストウッドの視点はとても中立的で、主人公には近づきすぎず、離れすぎず、一定の距離を保って観察している感覚があると思います。戦場における命をテーマにした作品なので、そのぐらいの中立感がむしろ正しく機能していたんじゃ無いかと思います。非常に辛い話ではありますが、現実の戦争はもっと辛いものだと思うので、その一端を知る意味でも観る価値のある映画だと思います。
2025.04.08 投稿
5.0
これはもう、もはや伝説と言っても良いぐらいのキング・オブ・胸糞映画だと思います。でもこれが人生か、とも思えるというか。あまりにも衝撃的なラストなので後味悪いのが苦手な方には絶対にお勧めできませんが、ここまで絶望感を味わえる映画というのも滅多にあるものではありません。そういう意味では一度ぐらい体験しておく価値はあると思います。スティーブン・キング原作、フランク・ダラボン監督のコラボ作品は「ショーシャンクの空に」が非常に希望的な映画として、歴史的な傑作ですが、それがA面だとしたら、この映画はまさに真逆のB面。しかしこれも絶望的な映画として歴史的な傑作と言えると思います。同じ原作者、同じ監督でこうも味わいの違う映画を、しかもどちらも傑作と呼ぶに相応しい映画を作ったなんて、考えてみれば非常にレアケースだと思います。セットで観てみるのも面白いかもしれません。
2025.04.08 投稿
5.0
確か最初にスパイダーマン実写映画の企画進行中のニュースが出た時はジェームズ・キャメロンが監督予定だったはずです。もう何十年も前の話ですが。その後紆余曲折を経て、もう実現しないのかと思っていたらサム・ライミが監督するとなってめちゃくちゃ興奮したのを覚えています。「ダークマン」が最高だったのでこれで一気にメジャーになるなと思いました。本音を言えばこの後作られた「2」があまりにも傑作すぎて、比べてしまうと「1」はまだいろんな制約に縛られながらサム・ライミの本領が発揮できてなかったんじゃないかという気もしますが、それでも「らしさ」は随所にあって、実際メガヒットシリーズに成長したわけですから、かなりエポックメイキングな映画だったのは間違い無いかと。トビー・マグワイヤも良かったですし、ウィレム・デフォーのなんでもやります感はニコラス・ケイジとトップ争い、というかケヴィン・ベーコン含めて御三家といっても良いのでは無いかと思ったりします。
2025.04.07 投稿
5.0
基本的にバットマン映画はどれも好きではありますが、ダークナイト以降新たな形を作り出すのが難しい中、重厚さは引き継ぎつつも、探偵ミステリィ風にまとめあげたこの映画はとても個性的な映画になっていたと思います。ティム・バートン版のペンギンとは全く違う、ギャングの一味という設定だったり、それを演じているのが本人だとわからないコリン・ファレルだったり、リドラーもかつてのジム・キャリーが演じたバージョンとも全く違うキャラクターで、ポール・ダノが最高の芝居を見せてくれました。アメコミヒーローもので3時間の上映時間は正直どうなんだろうと思って観ましたが、観始めると全く時間を感じることなく、グイグイ引き込まれました。続きが観られるまでにまだ何年かかかりそうですが、一応続編は確定しているようなので、楽しみに待ちます。TVシリーズのペンギン、未見ですがこちらも気になっています。
2025.04.07 投稿
5.0
中学生の時試写会で観たのが最初ですが、まだどんな映画かも知られていない中ほとんどスニークプレビュー的な状態で、でも満席立ち見(今や立ち見って何?という感じですが)の環境で観ました。映画が展開していくにつれて場内には笑いの渦が起こり、いい感じに温まった空気のままクライマックスへ突入し、満席の場内が一体化して大興奮しているのが全身から感じられて、これが映画館で映画を観る醍醐味か!と強烈に感じたことを鮮明に思い出します。観終わって翌日学校で友達に興奮気味に話して、後日公開された時に友達5人ぐらいでまた観に行きました。もはやクラシックと言ってもいい映画になりましたが、今観ても完璧な脚本、何度観ても興奮する面白さは奇跡の一本と言って良いと思います。実は撮影時に色々トラブルがあったというのも大分後で知りましたが、そんなこと全く感じさせない素晴らしい映画。全人類が観るべき一本!!
2025.04.07 投稿
3.5
色々と議論の余地がある映画。公開前に言われていたような、原爆の恐怖を描いていないとか、日本に対してどうなのか、ということについては、あくまでオッペンハイマー目線の映画なので、それほど気にはなりませんでした。原爆礼賛映画ということでもないですしね。それよりも気になったのは、科学者のいわば伝記映画としての側面が大きいにも関わらず、ノーラン監督お得意の時制いじりが炸裂しているため、ある程度オッペンハイマーとその交友関係なり、時代背景なりを知らないで観るとまずその辺の把握に気を取られてしまい、一体何がどうなってるのかという理解にまで至らない点です。エンタメとしてそういう物語構造は全然いいとは思いますが、扱っているテーマがセンシティブなものなので、それをエンタメとしてこねくり回すのは果たしてどうなんだろう・・・とは正直思いました。ストレートな時系列で余計なこと考えずに歴史を目撃できた方がはるかに良かったと個人的には思います。
2025.04.07 投稿
5.0
脱獄ものには傑作が多いと思いますが、これもまた素晴らしい映画です。公開当時、最初はそれほどヒットしていなかったのに、まだネットもSNSも普及していない時代に口コミでじわじわ広がり、公開が終わる頃には満席続きというあまり例のない興行だったことを思い出します。当時この映画を上映していた映画館でバイトをしていたので、そういう現象を目の当たりにしました。作品力の高さが口コミを作るんだなと本当に実感しました。かつての「大脱走」みたいなオールスター映画のような豪華キャスト、派手なスペクタクルはないものの、観客さえもほぼ全員が裏をかかれるような、鮮やかな展開。ヒューマンドラマであり、ミステリー、サスペンスでもあり、なんと言っても希望を感じさせる秀逸な物語だと思います。まさかこの映画が後年オールタイムベストで常に上位に食い込む映画になるとは当時考えもしませんでしたが、今観ても心揺さぶられる映画であることは間違いなく、誰もが好きになる映画なのは間違いないと思います。
2025.04.05 投稿
3.5
飛行機乗り、というか戦闘機乗りの話なのでアクション映画というイメージが強いですが、実は恋愛要素の方がはるかに大きい映画。そして80年代のイケイケノリノリのアイドル映画でもあるかと。トム・クルーズがパイロットとして有能、でもプライドゆえに周りと衝突、教官受けはよくない・・・と思いきや恋した相手が女性教官だった。絵に描いたようなラブストーリーで、本当に絵に描いたような展開。そして最後に空中戦。敵国は明確には言及されてないものの、ミグ機と言ってるし、当時米ソ冷戦真っ最中でしたから明らかにソ連を示唆していて。当時のハリウッド映画は犯罪ものにせよ戦争ものにせよ、最終的には力に物言わせて相手を駆逐するというのがお決まりで、この映画もその例に漏れず。結局は強いアメリカを誇張するような映画だなと思ってあまり好きになれませんでした。でも改めて見直すと、そういう要素は否定はできないものの、続編「マーヴェリック」への布石となる友情と反目、使命と責任といったテーマもちゃんと押さえられていて、それが続編では厚く太いドラマとして開花したことを思えば、やはりこの映画の価値を認めざるを得ません
2025.04.05 投稿
5.0
初めて観た時の、面白すぎて息が止まるような感覚は忘れられない映画体験です。あの「スパイ大作戦」がこんなに面白い映画になったというのがまず感動でしたし、それまで好きなようで好きでもなかったトム・クルーズを明確に好きになった映画でもあります。デ・パルマの映像トリックがスパイ映画にこんなにもマッチするのかというのも衝撃でしたし、テレビ版の主役だったフェルプスが、、、というストーリー展開も見事で、もう何度も見直してますが、やっぱりこのシリーズの中で1番の傑作だと思います。というか30年経っていまだに続くシリーズになるとは、そして回を重ねるごとにトム・クルーズがガチのアクションスターになっていくだなんて、当時は想像もしてなかったです。
2025.04.05 投稿
5.0
スピルバーグとトム・ハンクスのコラボレーション映画の中で、一番埋もれてしまっている映画という気がします。実はゾーイ・サルダナやディエゴ・ルナなどその後大活躍を続けるキャストたちの初々しい姿を見ることができる映画でもあります。日本ではなかなか想像しにくいシチュエーションではありますが、他民族国家、紛争が絶えない地域にある世界の人たちにとっては、この映画の主人公のように突如祖国を失うという話は決して絵空事ではないと思われます。ただ、そういう悲劇的な事態は極力背景としてぼかしており、この映画自体は明るく前向きなトーンを保っているのも良いところだと思います。あくまでも人と人がどう接していくか、コミュニケーションが取れない環境の中でどう生きていくか、という物語。これまたスピルバーグが最も得意とする、異世界の中で孤立した主人公が帰るために奮闘するというプロットで、E.T.やプライベート・ライアンなどと同じ構造を持っていて、やはりそういう映画を作るのが上手いなと思える上質なコメディだと思います。
2025.04.04 投稿
5.0
心温まるヒューマンドラマでありながら、フォレストと一緒にアメリカ現代史を駆け抜けるかのような映画だと思います。当時はCGの新しい使い方だなという部分に感動しました。例えばケネディ大統領の実際の記録フィルムの中にトム・ハンクスがいて、握手したりする、というような。いかにもCGで何かを作りました、ということではなくいかにして現実と虚構を違和感なく混ぜ合わせるか、という。今思えばフェイク映像、フェイクニュースの実は原点かもしれないとさえ思いますが、技術は使いようなので、この映画のように人を感動させるためにそういう技術は使って欲しいものです。
2025.04.04 投稿
5.0
いまだに新作が作られるエディ・マーフィの名実ともに代表作。シドニー・ポワチエの「夜の大捜査線」などとは全然ちがう、黒人刑事が主役で軽妙なコメディテイストというのが当時は斬新でした。もちろんサタデーナイトライブなどですでにアメリカでは大人気だったはずですが、日本でエディ・マーフィ人気が広がったのはこの映画がきっかけだったと思います。これより前に「48時間」とかありますが。とにかく早口で適当なことを喋って喋って喋りまくっていつの間にか相手をケムに巻くというのも、エディ・マーフィの話芸であり、アクセル・フォーリーというキャラクターの個性でもあり、その辺のリンク具合がやっぱり絶妙だったと思います。脇を固めるジャッジ・ラインホールドやジョン・アシュトンらとのやり取りも小粋で、繰り返し見たくなる愛すべき映画です。
2025.04.03 投稿
5.0
たとえ故意ではなくても罪を犯したら即死刑宣告。でもお金さえ払えばクローンを作って、自分の代わりにクローンが刑を受ける。という、かなりぶっ飛んだ設定の、SFといえばSFなんですがかなり哲学的な問いを内包したサスペンスホラーと言えるかと。独特の設定、語り口。それほどグロイ描写があるわけではないですが、じわじわと内面に迫ってくる違和感、恐怖感、一体この人たちは何をやってるんだという理解のしがたさなど、きっとダメな人には全くダメな映画だと思いますが、あくまでこれは思索するための哲学映画だと受け止められる人にはどこまでも深掘りできて興味の尽きない映画だと思います。さすがクローネンバーグの息子だと思います。お父さんよりもエンタメ度は少なく、尖った映画を作る人だなと思います。今後も楽しみです。
2025.04.03 投稿
5.0
すでに公開から30年近く経とうとしているのが信じられないですがすでに不朽の名作といって良いと思います。初めて観たときから感動に心震えましたが、色褪せず今観てもなお傑作でした。ディカプリオもケイト・ウィンスレットもやはり若かったなと思いますが、二人ともいまだに現役、最前線で映画に出続けているのもまた素晴らしいなと思います。悲劇的な史実に、ロミオとジュリエットをモチーフにしたラブストーリーを加えて物語としてまとめ上げたジェームズ・キャメロンの手腕には脱帽せざるを得ません。それまでのSF映画で培った技術を存分に活かしているところも注目に値すると思います。
2025.04.03 投稿
5.0
1作目はリアルタイムに観ましたが、正直に言うとあんまり好きになれませんでした。トム・クルーズのカッコよさには文句ないものの、いかにもアイドル映画に見えてしまっていました。 ところがこの続編は、そういう1作目の在り方も全て含めて「時の流れ」のスパイスを絶妙に振りかけて、熟成させて、またとない完璧な続編として存在していて度肝抜かれました。非の打ち所がありません。ヴァル・キルマーの登場シーンには思わず声が漏れそうになりましたし、涙が出ました。もしかしたらこれが遺作?になってしまったのかも知れませんが、最高の形でその姿を残せてある意味映画の素晴らしさを噛み締めるシーンになるのではないかと思います。 もう一度見直してみようと思います。
2025.04.02 投稿
5.0
何度見ても、今観ても、カッコよさに痺れるし、緊張感に震えるし、熱いドラマに涙するし、クライマックスは手に汗握ります。面白い映画はたくさんありますが、何回見ても面白い映画というのは限られます。この映画はそんな一本です。「戦艦ポチョムキン」のオデッサ階段のシーンにオマージュを捧げたセントラルステーションの階段のシーンは、やはりデ・パルマならではのオリジナリティを加え、こちらも映画史に残る屈指の名シーンになっていると思います。映像の素晴らしさもさることながら、ショーン・コネリーとのやりとりを受けてのあの階段のシーンで、感情的にもピークに達してますから、緊張と興奮が怒涛のように押し寄せる、本当に見事なシーンだと思います。
2025.03.31 投稿
4.0
初めて観たのは中学生の時で、当時はとってもカッコいいなと思って観ていました。いや、今もカッコいいとは思います。ティモシー・ダルトン、もっと続けば良かったなとも思います。ただ色々と漫画っぽすぎて、ゆるゆるな展開が今見ると大分冗長に感じてしまうのも致し方ないですかね。少し悲しいです。でもロジャー・ムーアとは違う方向に行こうと頑張ってるのは節々に感じますし、残念な感じがあるのはおそらく演出力の部分なんだろうな、と思います。基本、何も考えずに楽しめるのでいいと思います。でももはや世界はこの時のような情勢ではないので、今の若者たちには全てがファンタジーに映るのかも知れません。
2025.03.31 投稿
5.0
X-MENのシリーズは大好きなのですが、この「フューチャー&パスト」が文句なくNO.1の出来だと思います。旧3部作と新3部作をうまく融合させたという意味でも非常にクレバーな1作。クイックシルバーが活躍するスーパースローのシーンはあまりの面白さに初めて観た時は息をするのも忘れる感覚でこれは歴史的な名シーンだと直感しました。絶体絶命のシチュエーションをどうやって切り抜けるかというサスペンスと壮絶なアクションを最新の技術と対位法的な音楽で包み込み、いかにもアメリカ的なジョークさえもまぶして魅せる、今観ても震えるぐらい最高のシーンだと思います。そのシーンだけでもこの映画の価値は非常に高いですが、全体的にも非常にバランスが素晴らしくとても面白い映画になっていると思います。ただその素晴らしさを十分に堪能するにはやはり旧シリーズ3作と、前作に当たるファースト・クラスはちゃんと観ておいた方がいいと思います。
2025.03.31 投稿
5.0
老いてなおこれだけパワフルな映画を作ってしまうジョージ・ミラー監督のエネルギーの震えます。本来デス・ロードの直後にこの映画が作られていればシャーリーズ・セロンがそのまま続投だったのでしょうかね。それも観たかった気はしますがアニャ・テイラー・ジョイもとても素晴らしく、前作とは別人なのにキャラクターに違和感を感じさせない見事な継承だったと思います。クリス・ヘムズワースの悪役ぶりも、極悪非道でありながらどこか愛情も持っているあたり、非常に人間臭く、余計に怖さを増していたように思います。荒廃してしまった社会の中で壮絶に生きる、生きるために戦う姿というのはなんだかんだでグッときます。
2025.03.31 投稿
5.0
リュック・ベッソン、全ての作品を観てるわけではないですが、時々観る者の度肝を抜く傑作をシレッと作るなと思います。「ルーシー」もそうだったと思ってますし、この「ドッグマン」もそう。傑作だと思います。とても切ない映画ではありますが、自分の運命を受け入れている主人公の強さと来たら、神々しいほどにかっこいいと思えたり。何より犬好きには共感できるというか、納得できる、人と犬との関係性の描き方。愛玩のような可愛い犬映画ではないですがやはり犬の忠実さゆえの信頼関係は観ていてグッとくるものがありました。ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは若手個性派俳優の一人だと思いますが、今後の活躍も非常に楽しみです。
2025.03.30 投稿
5.0
テリー・ギリアムファンとして、映画ファンとして、これ以上ないぐらいに観るのが辛いドキュメンタリー映画です。念願の企画「ドン・キホーテを殺した男」が良きキャストに恵まれようやくクランクインを迎えたものの・・・天災、人災、ありとあらゆるトラブルに日々遭遇し、諦めざるを得ないところまで追い詰められる。誰が悪いわけでもないことを、プロデューサーたちは助監督の仕切りが悪いからだとスケープゴートを作り助監督を切り捨てる。でも彼こそがギリアムの最大の理解者だったりするから、そうなるともう狂った歯車は元には戻らなくなる。 映画製作に携わる人はもちろん、そうじゃなくても何かを作り上げる仕事をしている人なら、痛いぐらいに分かり、響いてくる物語だと思います。そう、本当はいわゆるメイキング映像になるはずだったドキュメンタリーが、大元の映画の頓挫により一つのドキュメンタリー映画となってしまったという、稀有な成り立ちの作品。まるでこのドキュメンタリーのためにシナリオが存在していたんじゃないかと言うぐらいのあり得ないハプニングの連続に、現実の恐ろしさを知りました。
2025.03.30 投稿
5.0
「ロスト・イン・ラマンチャ」を観ていかにこの映画が苦難の月日を経て完成に漕ぎつけたかを知る身としては、もう本当に完成しただけでこの世の奇跡を目撃したかのような、狂喜乱舞の気持ちではあります。ロスト・イン・ラマンチャを上映していた映画館では、ギリアムを助けよう!ということで今で言うクラウド・ファンディングの走りのような、グッズを買ってその購入資金が制作費になります!みたいなキャンペーンをやっていて僕はステッカーを購入した記憶があります。だからきっとこの映画の制作資金のほんの一部には貢献しているのではないかと(笑)。 ただもう、映画としては訳が分からなくて、残念ながら面白いとは思えませんでした。一体何がやりたかったのか・・・もしジョニー・デップとジャン・ロシュフォール版で完成していたら全然違うものになったのだろうし、それも観たかった・・・と思わざるを得ません。それでもここにはテリー・ギリアムの執念が宿っているし、映画を完成させることがどれほど大変なことかということを後世に伝えるためにも、存在価値のある映画だと思います。ロスト・イン・ラマンチャとセットで観ることを強くお勧めします。
2025.03.30 投稿
4.0
まさかジャームッシュがゾンビ映画を撮るなんて夢にも思わなかったわけですが、まずそれを実現させたというだけでとても面白い。案の定、ホラーファンに響くまともなゾンビ映画になるわけもないのですが、でもやはりならではの面白さはあったと思います。ビル・マーレイのゆるさとアダム・ドライバーの生真面目さのアンバランスが良く、作品全体もそのアンバランスをあえて目指していたんじゃないかと思います。しかしアダム・ドライバーはなんでもやるというか、なんでもこなすというか、まだ若手というか、もうベテランの域になって来ましたが、もっと歳を重ねたら本当にすごく厚く深みのある俳優になる気がして目が離せません。
2025.03.30 投稿
5.0
まだパソコンが一部のオタクたちの趣味のツール、限られた企業でのビジネスツールぐらいの認識だった頃。メール、チャットではなくパソコン通信でのやり取りを、その文字を画面に表示して展開していく映画ということで公開前から賛否あって、しかも否の方が多かったような印象が残っていますが、実際に観てみると思いの外良い話で感動してしまった記憶があります。森田芳光の先見性と、既成の表現の壁を突き破ろうとする意識はやはり凄いものがあったのだなと思います。今は誰もが手のひらでデバイスを操作し、ワイヤレスでなんでも出来てしまう世の中。たった30年前の映画なのに今観たらきっと隔世の感に眩暈がしそうな気がします。
2025.03.29 投稿
4.0
デヴィッド・リンチがとってもおかしくなさそうな映画でした。映像はとても美しいですが描かれていることはかなりおぞましい。グロテスクな描写があるわけではないですが、結構精神的にダメージを受ける人はいるかも知れません。観やすく描かれているので杞憂かも知れませんが。ブラッドリー・クーパーもケイト・ブランシェットも良いのですが、最近快演が板について来た感のあるトニ・コレットがやっぱりこの映画でも良かったです。 真っ当には生きられないはみ出してしまった者たちの運命と哀愁を愛情と悲哀たっぷりに描いていて、衝撃的かつ切ない結末が印象に残ります。こういう世界を描ける監督は非常に限られていると思います。デビッド・リンチ亡き後、この映画のギレルモ・デル・トロとあとはティム・バートンぐらいじゃないでしょうか。
2025.03.29 投稿
5.0
なんせ全編ワンカット(にみせている)の撮影がやはり見事としか言いようがない。部屋から出て車に乗って、そのまま走り出して、止まって、外に出て、また車に乗って・・・みたいなことを繰り返すのにほぼ切れ目を感じさせない(止まって外出た時にカメラが空に向いたりする時に確実にカットしてるとは思いますが)。素晴らしくテクニカルな映画。基本は車内での電話による会話劇。相手は出てこないけど色々とトラブルが起こっていくことがリアルタイムで把握できる。主人公はいってみれば車を走らせながら次々とトラブルシュートしていく。とは言えそれは真面目な仕事ではなく、麻薬取引。でも今回で足を洗おうとしている。さらに娘とのトラブルも同時に起こって・・・というトラブルの積み重ねが結構洒落にならないぐらいのしかかって来て、どうやって解決するのかという興味で結局最後までグイグイ引き込まれました。面白い映画です。
2025.03.29 投稿
4.0
無垢な娘の良きお父さん、かに見えた男が実は殺人犯で、というなかなかに背徳的な設定が面白いと思います。娘に同伴して行ったコンサート会場が実は自分を捕まえるために罠が張り巡らされていて・・・ものすごく大味な風呂敷を広げていながらも、どこかミニマムなところに収束していくのはいつものシャラマンだな、とは思うのですがこの作品については善悪の境界がなさすぎて(決して殺人鬼である主人公目線に同化できないという意味で)、展開は楽しめるものの気持ちをどこに落としたらいいのか分からず、一体なんだったんだという後味を拭えませんでした。倫理観とか抜きに、状況のサスペンスを楽しもうというスタンスで観ればかなり楽しめるのではないかとは思いますが。
2025.03.29 投稿
5.0
ロン・ハワードの埋もれた傑作。アメリカ大統領とTV司会者のインタビューという題材、しかも過去の話だから日本ではあまり興味が向かないのも致し方なしではありますが、相手はかのウォーターゲート事件のニクソンだしもっと興味持たれてもいいはずなのにな、と思います。大統領辞任後のニクソンにインタビューを挑んだイギリスの司会者。決して政治の専門家ではなく、話題性や儲け話としての側面が強かったのが、次第に真剣に向き合うよになっていき・・・という。ニクソン側も評判回復の思惑があったり、フロストについてはクルーからの信用もいまいちなかったり、という問題点山積みの中で、しかしこのインタビューが世に出れば何かが変わるだろうという思いでニクソンもフロストもまるでリングに立つ選手かのように準備し、対戦に臨むという見せ方が最高にスリリングです。人間的な弱さも垣間見せたり、色々考えさせてくれます。お仕事映画としても出色の傑作だと思います。
2025.03.29 投稿
5.0
ヒース・レジャーの遺作がテリー・ギリアムの作品だというのも奇な縁だなと思いました。もし最後まで全う出来ていたらジョニー・デップやジュード・ロウなどは出ていなかったはずですが、むしろそうやって姿形を変えることが本質的なキャラクターを体現していたんじゃないかと思うほど、僕には自然な表現に思えました。当然色んなアジャストをしてるはずなのですが、映画の持つファンタジー性と、テリー・ギリアムの独特の作家性、ヒース・レジャーの不在をなんとかしようというキャスト陣、スタッフ陣の友愛がとても良い形で作品を底上げしたんじゃないかと思います。とても稀有な作品。そして映画館で観てこそですが、エンドロール終わりでそこかしこから電話が鳴る音が聞こえて来る。この空間のどこかにまだヒース・レジャーはいる、という感覚にさせてくれる素敵な仕掛けでした。家で観ても中々体感できないと思いますが。
2025.03.29 投稿
5.0
子供の頃に観て、とても面白かったのはマシュマロマンに代表される本来怖い存在のはずのユーレイたちが皆どこか愛くるしく魅力的なキャラクター造形をされていたからというのと、バスターズ面々の中で圧倒的な変顔ギャグをかましてくるダン・エイクロイドの存在によるところが大きかったなと思いますが、大人になってから改めて見直すと、他のキャラクターも、物語も、リアルすぎずゆるすぎず、本当にちょうどよく観やすいラインに絶妙に収められていて、アイヴァン・ライトマン監督の手腕の高さ、確かさに気付かされました。繰り返し何度も観ていますが、今だに面白く飽きずに観られるって、すごいことだと思います。
2025.03.28 投稿
3.0
リブートシリーズがとうとうニューヨークに戻って来た!というワクワク感はあったのですが、ホラーコメディというジャンルが枷になってしまった感が拭えませんでした。ホラー要素はあくまでサブで、どっちかというとコメディ要素の方が圧倒的に強いシリーズではありましたが、今回すべてを凍らせるゴースト、というのはちょっと設定が尖りすぎていたんじゃないかと。凍ってしまい、崩れると確実にそこには「死」があるし、それこそ海が氷柱のように尖って人を襲うというのも、あくまでソフトに描かれていますが、リアルに考えるとあんなツララに貫かれたらかなり凄惨な地獄絵図になるはずなのですが、やはりファミリー映画である以上そこまで残酷な描写はできない・・・でもホラーファンはそこまで突き抜けたものを期待してしまう・・・その狭間でものすごく手堅く、安心安全なぬるい映画になってしまったと思わざるを得ません。これがホラー方向に思いっきり舵を切っていたらものすごく怖い映画になっていたと思いますが、やはりゴーストバスターズのブランドを背負ってはそれはできないというジレンマ。非常に勿体無いと思いました。
2025.03.28 投稿
5.0
物語の中では祖父から子、孫への継承をテーマにしていて、孫たちを中心に描かれますが、その外側の映画作りの部分では父から子へ監督が受け継がれている、しかもこの映画完成後に父アイヴァン・ライトマンが急逝した・・・という事実も含みおいて観るともう涙が止まらない感動作です。旧シリーズファンにはたまらない映画ですし、この映画で新しくファンになった人たちも決して少なくないはず。前編にわたってハロルド・ライミスへの愛が詰まっていて、映画って、仲間って、本当に良いものだなと幸せな気持ちになれました。ジェイソン・ライトマンは割とアート映画指向なのかなと思っていましたが、この映画を撮るために生まれてきたと言っても良いんじゃないかと思えるほど、本当に素晴らしい映画でした。
2025.03.28 投稿
5.0
「エド・ウッド」を撮った後にティム・バートンがこの映画を作ったという流れがもう激アツでした。「プラン9・フロム・アウタースペース」のくだらなさを現代に蘇らせるかのような、ティム・バートンのB級映画愛の頂点を極めた映画じゃないかと思います。 当時のオールスターキャストを贅沢に使い、全力でくだらないことをやっているだけでも微笑ましいことこの上なしですが、超有名スターが次々と憂き目にあっていく中、火星人撃退の肝を担うのが「刑事ジョン・ブック/目撃者」の目撃者ことルーカス・ハースと「ビートルジュース」でも印象的だったある意味ティム・バートンのメンター的な女優シルビア・シドニーの二人だったというのが良かったし、その武器となるのが歌というのも最高でした。 あまりにもバカバカしくて、悩みがある時なんかに観ると小さいこと気にしてもしょうがないと元気になれるので、繰り返し観たくなる映画です。
2025.03.28 投稿
5.0
初めて観たのは小学6年の時で、圧倒的な映画だということは感じましたが内容については多分ほぼ理解できてなかったと思います。それが悔しくて、その後何度も何度も、映画館でもビデオでも観直しました。もう何度観たか分かりません。 人類の進化について。道具を持つようになった類人猿はそれによって動物を倒し、肉食化。やがて食するという意義のある行為を超えて、道具を使って争い、道具を使って殺すことを覚える。その道具は進化し、宇宙船となる。 宇宙時代になって今度は進化した道具(HAL9000)は人間を欺き、プログラムされた指令を守り、実行するために人を殺す。 AIが一般的になりつつある今、この映画が描いている道具と進化についてもう一度考える必要があるんじゃないかという気がしてなりません。正しい、という基準は非常に主観的ですが、それでも道具は正しく使わないと簡単に牙を剥いてくるということを改めて認識する必要があるんじゃないかと。
2025.03.27 投稿
5.0
初めて観たのはまだ高校生だったころ、東京国際映画祭での招待上映で、ブライアン・デ・パルマ監督が来日して舞台挨拶したとても貴重な上映を観ました。とても衝撃的な作品で、当時大人気だったマイケル・J・フォックスのファンには痛々しすぎる映画ではありました。そしてやはりマイケルは戦場には似合わないキャラクターなんじゃないかとも。 でも時を経て見直すと、マイケルにしてもショーン・ペンにしても世間に浸透していたキャラクターがこの映画ではいい形に生かされていたんだなと思います。デ・パルマ監督はヒッチコック的なサスペンスを得意とし、愛してもいると思いますが実はこの映画ともう一本「リダクテッド」という映画でも戦場における性犯罪を告発する映画を作っていて、そうした正義を一貫して持っている作家だなと思います。
2025.03.27 投稿
5.0
超低予算のホラー映画がこれまた巨大なフランチャイズ化して現在に至るまで続編、リブート、スピンオフなどさまざまな副産物を生み出すことになるとは、当時誰一人として想像してなかったに違いありません。ここにも一つのアメリカンドリームがあるなと感じます。 いわゆる記念日ホラーのはしりだと思います。この後、主に80年代に作られるスラッシャー(日本ではスプラッターという言い方が流行りましたが)映画の殺人鬼キャラの原型を作ったのも「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスよりもこの映画のマイケル・マイヤーズの方が色濃く影響を与えていると思います。主演のジェイミー・リー・カーティスはこの映画と、同じくジョン・カーペンター監督の「ザ・フォッグ」などでスクリーミング・クィーンなどと呼ばれていましたが、とうとうアカデミー賞女優となって。そんな歴史を踏まえて改めて見直すと感慨深いものがあるかと。
2025.03.27 投稿
4.0
多くの人が肩透かしを食って、怒りさえ感じている・・・というのは分かる気がします。前作「ジョーカー」の続編として、アメコミ原作もの映画として、皆が観たかったと思える作品ではないことは間違いないと思います。ただ、そういう呪縛を解き放って、作品として向き合ってみると実は決して酷い映画ではない。ミュージカル仕立ての賛否はもちろんあるにせよ、内気で自己表現ができない「アーサー」というキャラクターと、アーサーが仮面を被り理性を捨て欲望を解放したキャラクター「ジョーカー」との対比という表現においてミュージカルを使っているので、とても解りやすい設計になっています。アーサーが何も語れないのに、ジョーカーは雄弁に本音を語ります。歌で。 前作で悪のカリスマ「ジョーカー」となった「アーサー」は自分と、自分が行ったことで多くのフォロワーを産んだことに実は責任と恐怖を感じている。つまり自分の過去に囚われ、怯えている存在になっているのがとてもリアルなあり方に思えました。そして自分が生み出した怪物は、他者に伝播し生き続けるという、皮肉たっぷりの非喜劇だと思います。
2025.03.27 投稿
4.0
いまだにものすごく賛否の分かれている映画だと思いますが、なんと言ってもデビッド・フィンチャーのデビュー作として、決して軽んじられない映画だと思います。エイリアンからのエイリアン2があまりにも素晴らしすぎたので、単に映画として考えるなら3はそもそも作られるべきではなかったのかも知れません。ですが巨大フランチャイズに育ったエイリアンというコンテンツの大きさを考えれば、単なる映画の枠を超えているのでそんな中こういう映画もあった・・・ということでもいいのかも知れません。製作中も色々トラブルあったみたいですが、前2作とは別の挑戦を、という気合は十分感じられますし、最初から最後までえ、それでいいの?とさえ思う衝撃の連続だったという意味ではハラハラしっぱなしの映画です。
2025.03.27 投稿
3.0
リドリー・スコットがナポレオンを描く。演じるのはホアキン・フェニックス。期待しないはずがない。でも実際のところは壮大なるダイジェスト映像を見せられた気分でした。元々ナポレオンにまつわる史実を熟知して観ないと色々置いてけぼりを食う映画だと思います。それにリドリー・スコットは歴史物を結構作ってはいますが、史実に則ることよりもエンタメに走ることを信条としているようなので、何が本当で何が作り事かは正直わかりません。正しい歴史の知識を持った上で、あくまでエンタメとして楽しむという度量がないとこの作品を本当の意味では楽しめない、結構ハードルの高い作品じゃないかと思いました。
2025.03.27 投稿
5.0
ヒッチコック愛に溢れたミステリーサスペンス。エドガー・ライト監督の映画オタクぶりがとてもいい形で昇華され結実している傑作だと思います。トーマシン・マッケンジーも素晴らしいと思いましたが、やはりアニャ・テイラー・ジョイの魅力に吸い込まれていく感覚がありました。決して美人タイプではないと思いますが、半端ない目力と演技力の高さは同世代の俳優の中でも群を抜いていると思います。60年代と現代を行ったり来たり、現実と妄想を行ったり来たりとかなり複雑な構造の物語ですが、見せ方の工夫も素晴らしく決して難解な映画にはなっていません。根底には切なさもあって、感動すら覚えます。
2025.03.26 投稿
2.0
はじめに断っておくと、キャラクターとしてインディ・ジョーンズは大好きです。評判いまいちな4作目でさえ好きと公言できます。監督交代が一番の敗因だとは思いますが、やはりインディ・ジョーンズというキャラクターはスピルバーグだからこそ成立させられたんだなと思うしかありませんでした。ジェームズ・マンゴールド監督も素晴らしい監督ですし、他の作品はとっても好きです。男の使命感や対立、友情。仕事への向き合い方などをとても豊かにカッコよく描ける監督だと思っています。だからスピルバーグの後任としてとても適任だと思って期待もしていました。 でもそんなマンゴールド監督を持ってさえ、ちゃんと料理できないのがインディなんだなと。過去作に対するリスペクトもすごく伝わってきましたし、いい物語ではあると思うのですが。 老いたインディを老いたキャラクターとして徹底して描くべきだったんじゃないかと思いました。老いは重要なテーマにはなっていましたが、さすがにそんなアクションはできないだろうということを結構やらせていて、しかもそれが明らかにCGだったりする。技術の進歩はすごいけどCGはCGなんだよな、ということを再認識しました
2025.03.26 投稿
5.0
車の中だけで展開する映画は結構たくさんありますが、マンハッタンのドライブだけで100分・・・いったいどこからどこまで移動するんだろう・・・と思っていたらなるほどの仕掛けが用意されていてニヤけてしまいました。どうってことないアイデアではありますが、そういうところに映画の魔法があるなと思います。 そして運転手と乗客。 酸いも甘いも知り尽くした中年男とまだ人生定まりきっていない若い女性。 たった二人の物語ではありつつも、さまざまな対立軸がうまく散りばめられていて、普通なら交わることのなさそうな二人の人生が、ドライブ中の車内でだけ交差する。分かり合えたのかも知れないし、そうじゃないのかも知れないけど間違いなく心が触れ合う瞬間はあったと思える、これは大人のファンタジー映画と言えると思います。 観終わって、誰かに優しくしたくなる映画です。
2025.03.26 投稿
5.0
聞こえてきた評判からするとドキュメンタリーに近い、とても重苦しい作品なんだろうと思っていました。実際に見てみると思いの外スリリングな展開でちゃんとエンタメになっていて驚きました。それでも扱っている事件は実話ベースだったりするので、決して軽々しい映画ではないですが世界にはこういう問題もあって、そこに命懸けで向き合っている人たちもいることをこの映画で知ることができました。映画のエンドクレジットに主演のジム・カヴィーゼル自身が観客に語りかけるメッセージがあって、その内容というのが彼自身が駆け出しの頃に出演した「ペイ・フォワード/可能の王国」という作品がテーマとしていたことの実践で、そこにちょっと一本の映画を超えた感動を覚えて震えました。同時にジム・カヴィーゼルという人がいかに誠実に仕事に臨んできたかということも感じられ、尊敬の念が芽生えました。
2025.03.25 投稿
5.0
「カプリコン1」を知る世代としてはそういうサスペンスフルな映画かと思っていたら全然違うテイストで、意外性があって楽しめました。古典的なハリウッド、それこそ50年代のビリー・ワイルダーの映画のような軽妙洒脱でウェルメイドなタッチで宇宙開発の裏側を描くという、なかなかありそうでなかった映画だと思います。アポロ計画を扱った映画にハズレはないと思っているのですが、この映画もまさに大当たりでした。スカーレット・ヨハンソンが今までで一番と言ってもいいのではないかというぐらい、とてもチャーミングで魅力的、チャニング・テイタムも始めはバカキャラなのか?と思っていたら実はとても誠実な男という描かれ方がとても良かったです。
2025.03.24 投稿
5.0
複数の時代にまたがる輪廻転生の話をよくぞここまでまとめ上げたなと思います。ウォシャウスキー姉弟(今はもう姉妹ですが)の最高傑作ではないでしょうか。いい人は生まれ変わってもいい人、悪い人は生まれ変わっても悪い人、という思い込みが観客にはあるんじゃないかと思いますが、それを平然と覆す。ある時代にはいい人だったけど、ある時代では悪い人の時もある。それでもある魂とある魂は共鳴して、別の時代でも別の形で出会ったりする。そういう一見複雑で分かりにくくても考えてみれば当たり前か、ということを壮大な物語の中で描き出していて圧巻です。同じ俳優が複数の役を演じていて、それとわかるものから絶対にわからないものまで、エンドクレジットでその全てが明らかになって驚くこと必至です。長く複雑な物語ですが、それだけに観終えた時の感動もひとしおです。
2025.03.23 投稿
5.0
当時夢中になって何度も繰り返し観た。ヘヴィメタ、スポーツカー、女好きの宇宙人という設定だけでも他の映画とは全然違う個性が光っていて、その宇宙犯罪者が乗り移っていく地球人たちが、決して有名俳優ではないけどみんないい顔してて、いい味出してました。有名だったのはカイル・マクラクランとマイケル・ヌーリーぐらいでしたが、マイケル・ヌーリーもすでに殆ど知る人はいなさそう・・・ とにかく全編おかしくて、バカバカしいけど愛おしくて、でも意外とカッコよくて、サスペンスもちゃんとあるし最高のSFアクション映画。ジャック・ショルダー監督、とっても才能ある監督だと思うのですがその後ほとんど映画公開されてないですね。また何か撮って驚かせてほしい。
2025.03.23 投稿
5.0
初公開当時、映画館で観た時本気で映画館を出ようかと思いました。つまらないとかじゃなくて、あまりにも地獄絵図だったので。耐えられそうにない、と思いましたがそれでもどうしても目を離すことができず、いつの間にか引き込まれていました。本当の戦場はこんなものじゃないんでしょうけど、初めて本当に戦場に行った気持ちになりました。映像の迫力だけじゃなく、音響の設計もすばらしく、漫画じみたバキューン、という音ではなく、スン、スンと風を切る音がリアルな銃弾の音なんだなと思いました。あらゆる意味で革命的な映画だと思います。物語としては決して実話ではないようですが、言葉の通じない異国の地(しかも交戦中)に誤って取り残されてしまったライアン二等兵を救出するために奮闘する分隊を描いていて、この異国(異文化あるいは異星)の中で孤立したキャラクターを家に帰すために奮闘するというプロットはスピルバーグ映画の中で再三繰り返し使われているもの。だからスピルバーグが撮ったのか、と納得のいく映画です。
2025.03.23 投稿
5.0
聾唖者の両親との暮らしは、きっと普通に想像する以上に大変で、それを当たり前として育ってきている主人公が、家族を大切にしながらも、家族だけではない世界へ羽ばたこうとしていく。ファミリードラマでもあり、青春映画でもあり、音楽映画でもあり、障害がテーマでもある。でもどれも押し付けがましくなく、とてもナチュラルに描かれていて良かったです。 特に手話でもガンガン下ネタを話すあたりとか、普通に生活してるだけなら想像もしない、でも考えてみたら誰だってそんな話したいよね、という。悪い意味ではないけどいかに我々が偏見を持って生きているかがわかってハッとしたりもしました。 物語の展開としては王道ですが、涙なしにはみられない号泣必至の映画です。
2025.03.23 投稿
4.0
「哀れなるものたち」に乗れなかったのできっとダメかなと思ってましたが、エマ・ストーンが弾けてそうなのでやはり観てみました。エマ・ストーンも確かに弾けてるのですが、この映画はジェシー・プレモンスを堪能する映画でした。この映画といい「シビル・ウォー」といい、とうとうジェシー・プレモンスの時代がやってきた!と思いました。とはいえ果たしてこの映画が何をやりたかったのか、何を言わんとしているのかはよく分かりません。現代の寓話であることは間違いないのですが、一体何を何に例えているのか・・・。それでも妙に心に残る映画ではあります。ジェシー・プレモンス、エマ・ストーンのみならず、ウィレム・デフォー、マーガレット・クァリー、ホン・チャオなど実力派の俳優たちが3本の短編で全て違うキャラを演じていて、すごく楽しそうだったのも印象的でした。
2025.03.23 投稿
5.0
黒澤明の映画の中でもあまり知られていない映画なのではないかと。タイトルは知っているというか、格言だと思っている人もいるんじゃないかと。結構日本の闇を抉ろうとしている作品なので、こういう映画が知られてしまうと都合の悪い人たちも沢山いそうですが、是非とも多くの人に観てほしい映画です。もちろん、フィクションですので実話ではありませんが、実話のように思えるリアリティと、地味ながらも映画的に仕掛けられた数々のトリックが本当にスリリングで、謎解き要素、サスペンスフルな展開含め目が釘付けになって一気に引き込まれる極上のエンタメでもあります。ともすれば冗長に思われがちな冒頭の結婚式のシーンにその後のほぼ全ての伏線がはられているという、見事なオープニング。ただ終わった後の絶望感はどうにも否定できないのでいわゆるウツ映画ではあります。それでもおすすめです。
2025.03.23 投稿
5.0
ファウンドフッテージ系のホラーとして久しぶりの大傑作だと思います。本当にこんな番組あったんじゃないかと思うほどよく作り込まれていました。番組のCM中にモノクロ映像に変わって、舞台裏のメイキング映像が挟まれるので、もちろん番組自体も作りごとだとわかるのですが。主演のデビッド・ダストマルチャンは以前から注目していましたが日本ではまだまだ知られていない俳優だと思いますし、その辺の絶妙な配役もリアリティを増していたと思います。 映画終盤になると唐突にイメージ映像のオンパレードになってしまうので、番組としてのリアリティーがなくなるのが若干残念な気もしましたが、悪魔の世界、というか悪魔的なものに思考を支配された人間の見る幻想としてうまく機能していたと思いましたし、総じて結構深いことを考えさせてくれる映画で、ただのホラー映画として片付けてしまうのは勿体無い作品だと思います。
2025.03.23 投稿
4.0
タイトルからもっと説教くさい映画かと思っていました。同じタイトルの小説も昔読んだこともありましたが、この映画は全く別物。戦争というものについての考察はあると言えばある。でもそこがテーマではありませんでした。正直にいうと、一体何をやりたかったのかさっぱりわかりません。わかりませんが、とにかく圧倒的に溢れ出てくる豊穣なイメージに何だかすごいものを目撃しているという気持ちにさせられて、これは宮崎駿にしか作れない映画、できない技、それを同時代に生きて観ている、というそのことの価値に震えるような体験でした。なので映画としての出来は正直よくわかりません。だいぶ破綻していると言っていいのかも知れません。それでも観る価値のある映画だというのは断言できます。
2025.03.23 投稿
2.0
フランケンシュタインをベースにして現代の怪物を描くとこうなる、という実験映画のようでもありました。美術にしろ衣装にしろ、もちろん俳優たちの演技も精魂込めて作り上げられているのは間違いなく、そこに割かれた膨大な時間と労力を思うと敬意は湧いてくるのですが、残念ながら非常につまらなかったです。アートという括りで誤魔化されているように思えてなりません。扱っているのはもっと根源的な人間の生と性にまつわる部分で、決して綺麗事だけではないものも含まれますが、アートの力によってその辺を綺麗事で包み込み、高尚に見せようとしているような、そんな世界観を提示してどうだとドヤ顔をしているような作り手のエゴが見えてしまってどうにも乗れませんでした。もっと当たり前の世界で当たり前の下衆の話を・・・と思ってしまったのはないものねだり過ぎるとは思うのですが。
2025.03.23 投稿
5.0
アメリカ版ゴジラシリーズ、最初の2本ぐらい観てあんまり乗れないなと思ってもう観るのをやめていましたが、どうもこの映画は振り切っているらしい、しかも特に前作観てなくても楽しめるらしいという話を聞いて観に行きました。結果、大正解でした。本当に潔いぐらいのバカ映画(褒め言葉)になっていて、全力で楽しむことができました。 何よりすごいのは、ゴジラとコングのシーンにはほぼセリフがなく、人間のキャラクターは出てきますが(そして最高なイケおじキャラがいますが)、彼らが喋るセリフは最低限の説明セリフみたいな感じで、あとは味付けです(でもその味付けがまた最高です)。つまり、物語自体はセリフがなくてもほぼ丸わかりできる親切設計になっています。 これは深掘りすると映画の成り立ちが元々サイレント映画だったことまで遡ることができるかと。動きや表情で観客の感情を動かしていた、純粋な鑑賞体験を現代のモンスター映画でやってやろうという作り手の気概が見えて、しかもそれをかなりの精度で実現させていて、お見事というより他ないです!国や民族を超えて全ての人が楽しめる最強の映画です!
2025.03.21 投稿
5.0
想像以上に素晴らしい作品で、もっと評価されるべき映画だと思います。伝記映画ではありますが、現実と想像の間を地続きにワンカットで見せていく流れるようなカメラワークや、時代に合わせて質感や色、サイズを変える画面構成など、あまりにも自然でありながら映画マニアをも唸らすようなテクニックを駆使、結実させていて、見た目からは想像できないテクニカル映画でもあったりします。ウェストサイド・ストーリーの作曲家としてレナード・バーンスタインという名前は知っていてもその生涯をよく知らなかったのもあり、物語的にも人物的にも非常に見どころたっぷりの濃厚なドラマでした。ブラッドリー・クーパーが神掛かっていたのにも増して、キャリー・マリガンの巧さは同世代の女優の中でも突出しているように思うのですが、いまいち評価されてないのが本当に残念です。必ずしも史実通りではないにせよ、音楽家の伝記映画という括りで言えば「アマデウス」にひけを取らない傑作だと思います。
2025.03.21 投稿
3.0
数々の賞を受賞していて、期待感を持って観ましたが正直にいうと一体何をしたいのかよくわからない映画でした。 描かれている問題はとても深刻で、過疎化を目前にしている、あるいは現時点で過疎化に悩まされている地域の人たちには容易に語れない問題かなとも思います。 そうした問題を地元の人たちと、キャンプ施設を建てようとする資本主義の権化のような都会のビジネスマンたち両方を描きながら、どうすべきかを問う、、、という映画かと思ってましたがそうでもなく。 結局はどうすれば良いのか?という問いかけ、、、にもなってないような気がします。 普通に見れば最後は主人公の村人に共感できる人はいないのではないか? その意味で過疎化している村の人々、自然と共に暮らす人たちを突き放してしまうような映画に思えてなりませんでした。 ジャッジを下すような映画ではない、ということなのかも知れませんが、ある意味変な印象は間違いなく残しているので、それはジャッジではないのか???など、いろいろ考えさせられました。
2025.03.21 投稿
5.0
小品ながら素敵な想いと優しさに溢れるファンタジー映画と言えると思います。CGや特撮があるわけではないですが、そういうものに頼らずともファンタジー映画は作れるという証明でもあると思います。そんな中に小泉今日子さんみたいな方が出演されてるのがすごいと思いましたし、やはりその存在感の確かさを感じました。とは言えそこに頼っている映画では決してなく、出てくる出演者皆日常的なリアリティが滲んでいてとても良かっです。中でも、お芝居ではないのですが途中出てくる赤ん坊の仕草が奇跡としか言いようがなく、それだけでも観る価値があると思えました。 そして特撮ではないけど、とあるシーンでのドローンカメラの使い方が素晴らしすぎて、泣きました。
2025.03.20 投稿
5.0
決して大作ではないので、限られた予算、限られた環境の中で作られたことは容易に想像出来ますが、そうしたハンデを全く感じさせない力強いドラマでした。戦闘シーンなどは一切ありませんがこれもやはり戦争映画と言って良いのではないかと思います。終戦直後の闇市に生きる人たちを通じて、戦争の落とした影がいかに生活に、人間に影響を与えたかが浮かび上がってきます。森山未來と趣里。さらに子役の塚尾桜雅の信じられないほどリアリティのある演技に衝撃を受けました。「鉄男」の塚本晋也監督がこんな映画を撮るようになるとは当時想像もしてませんでしたが、観る価値のある、というより是非観てほしい映画の一本です。
2025.03.19 投稿
3.0
最近ハリウッドの王道娯楽大作が元気ない中、この映画もヒットはしなかったみたいですが、作りとしてはとても良くできていて何も考えずにただ楽しめました。主人公のトラウマやモチベーションをわかりやすく描いているので、とても没入しやすいですし、旅の道中で出会うキャラクターたちも漫画的になりすぎない塩梅でうまく描き分けされています。危機的状況に共に立ち向かう男女を描いておきながら、ロマンス映画方向に行かないのも非常に好感持てました。クレジット見て原案を「トップガン:マーヴェリック」のジョセフ・コジンスキー監督が手掛けていることを知り、続編作りの天才だなと思いました。
2025.03.19 投稿